ベビ待ち中、妊娠中は愛情溢れるママになって、子供に惜しみない愛情を注ぎたいと思っている人がほとんどでしょう。
ところが、自宅に赤ちゃんと二人でこもって過ごしているうちに、
生まれる前に思っていた「理想のママ」像とどんどんかけ離れていく自分に悩んでいるママも多いようです。
ストレス感じてなにが悪い?
そのなかで、最もストレスを引き起こしているのが、赤ちゃんの泣き声というデータが出ています。
泣きやまないわが子を前に
「いい加減泣きやんでよ!」
と叫びたくなることありませんか?
冷静な自分に戻ると
「こんな幼いわが子にイラついてしまうなんて、私はママ失格だ…」
とおちこんでしまった方もいるのでは?
こんなイライラは、今回の育児経験者の声を集計してみていると過半数以上が経験していたようです。
みなさんが、泣き声にストレスを感じてしまう理由は、どうしてでしょうか?
みなさんに、ちょっと的外れな質問があります!
ちょっと、的外れと思われてしまう質問をします。
黒板を爪のような尖ったもので、ひっかく様子を想像してください。
―どんな音がしますか?
―その音を聞くとどんな気持ちになりますか?
ある小学校の一年生のクラスで、実際に黒板を引っかいてみたことがあります。
キィィィーという音に、ほぼ全員が顔をしかめたり、耳を押さえたり、体を丸めたりしました。
不快になる理由はここにありました!
私のちょっとした悪戯心から行った実験などではなく、実際に音の権威による研究が出ています。
黒板の引掻き音には、耳にしたほぼ全員が不快を感じるようです。
人が不快に感じる理由が、きちんとありました。
・耳の中で音が増幅して、耳鳴りのように聞こえてしまう周波数(2000-4000ヘルツ)である※1
・ニホンザルが発する警告の叫び声と似ている※2
なんと、黒板の引掻き音は、人間がサルだった頃に危険な時に聞いていた音に似ているようです。
サルだった頃には、命に関わる重大事を知らせる音でした。
「危険だ」という声を聞き逃さないため、私たちの耳はこの音に敏感なのです。
聞き逃さないようにと耳も進化し、黒板の引掻き音のような高音を、私たちは耳の中で増幅させるようです。
この、私たちがサルの時代に身につけた能力によって、不愉快だと感じてしまっているのです。
泣き声と引掻き音の意外な関係
黒板の引掻き音と赤ちゃんの泣き声は関係ないのでは?と、みなさんお思いでしょう。
実は、意外な関係がありました。
それは、
赤ちゃんの泣き声は、ときどき黒板の引掻き音と同じ高い音が出ているようなのです。
悩む必要なんて、全くなかった!
つまり、赤ちゃん泣き声には、人にとって不快な音が含まれているのですね。
赤ちゃんを愛していても、泣き声を嫌だなと感じるのはサルの時代からの名残で仕方ないことのようです。
ママが赤ちゃんの泣き声に耳障りだと感じてしまうときは
黒板の引掻き音と同じような高音が出ているときなのでしょう。
自分の愛情が足りない!?と悩む必要はないのです。
これは、私からの提案なのですが、
不快感を和らげる方法として、赤ちゃんの泣き声を自分なりに面白おかしく翻訳してみることはどうでしょうか。
私も勝手に翻訳しながらあまりの可笑しさにふき出し
それを見た子供が泣きやんで笑っていることもありました。
ちょっと、独り言をいっているようで恥ずかしいでしょうか?
声に出すと赤ちゃんが
「ママが話しかけてくれている!」と喜ぶだけでなく
赤ちゃんが本当に泣いている理由に気付くこともあります。
「ママは泣かれると困っちゃうよ」と口に出してみると、心の中で気持ちをためておくよりも気が楽になると思いますよ。
参考
※ 1ウィーン大学研究チーム 2010年11月発表
※ 2 スティーヴン・ワァーン『Q&A人体のふしぎ』講談社ブルーバックス